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アニメの感想。 今は『バディ・コンプレックス』一筋。
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一挙見敢行。2回目です。

概ね期待通りというか、予想通りでした。
技術的問題とか、心情の描写不足とかあったけれど、割りと思った通りの良い方のラストシーンでしたね。

予想してたのは2パターン。
13話見た直後の予想は「青葉と雛が過去へ帰る、ディオは見送る」
完結編の予告を見た時点では、「青葉だけビゾンを道連れに生死不明」

上記の方が来たので、バッドエンドじゃなくてよかったなぁと。

ただ私は、ディオに笑顔で見送って欲しかったんですね~。

光の中に消えていく青葉に、今まで見せたことがない笑顔で、
「泣くな。…また会える」
青葉の表情は光のエフェクトでよく見えないんだけど、笑ったように見える。
特異点の光が収束した後に、ディオの口許だけがクローズアップされて、一筋だけの涙が流れ落ちて、足元に落ちる。

…みたいな。

だってディオって、普通に素直に青葉に笑いかけたことなかったんですよ…!

そういうわけで、見たかった話は自分で書くことにしました(笑)

スパークで本出すよっ!



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途中。
読む人誰が楽しいのか私にも分からないけど、書いてる私は楽しい。


***


「…ぉおおお!」

リビングから聞こえてきた雄叫びに、ちょうど廊下を通りかかった櫻は足を止めた。
『櫻』というのが彼の名だが、れっきとした男の子である。
一見すると女児の名前だが、櫻自身気にしたこともなければ、気にされたり虐められたりしたこともない。
22世紀になって10年が経過しようとする昨今、人種の混血は増々進んでいる。ユニセックスどころか、外見と名前の不一致も珍しくない世の中なのだ。

「お父さん?」
「櫻か! こっち来い」

背中に声をかけると、ひらひらと手招きされる。
呼ばれるまま傍に行くと、ぐいと手を引っ張られて、胡坐をかいた脚の上に座らされる。
櫻の髪が濡れたままなのに気づくと、肩に掛けていたタオルで、大きな手でわしわしと拭ってくれる。久しぶりの休暇で帰宅した父と、先刻までバスケットをしてたっぷり遊んでもらったので、シャワーを浴びて来たからだ。
10歳になる櫻には、父親の自分の扱いが子どもに過ぎるように感じられる気持ちも芽生えてはいる。だが、普段は離れて暮らしているので、こうしたスキンシップが素直に嬉しくもある。
そろそろ、難しいお年頃の入口だ。

とはいえ、前線は離れたものの、10代からヴァリアンサーのパイロットだった父は逞しく、櫻はまだすっぽりとその腕に収まってしまう。

「ディオ……おじさん?」

振り向きもしないで父親が凝視めていたスクリーンに、見たことのある姿を見つけて、櫻は声をあげた。
といっても、櫻がよく目にしているのは、若い頃の写真の彼だ。
連合の、赤いパイロットスーツに身を包み、同じく青いパイロットスーツを着た父親と並んで写っている。にこやかな笑顔の父親とは対照的な、口許を引き結んだ仏頂面だ。
リビングに飾ってあるそのポートレートは、彼が退役する直前に撮ったものだというから、もう15年程前のものだ。
2人ともまだ二十歳を越えたばかり。連合初にして屈指のカップラーで、今でも他の追随を許さない撃墜数を誇るという。
ヴァリアンサー乗りでは知らないもののいない英雄だ。

「すっげえなぁ、あいつ……。本当になったよ」
頭の上で、父親が呟いた。

写真の不機嫌面の美青年は、今、スクリーンの中で、笑顔で手を振っていた。
軍人出身だけあってぴんと背筋の伸びた立ち姿は、軍服からスーツに纏い替えても少しも変わらず、細身の肢体のスタイルの良さを際立たせている。
面立ちは年相応に年齢を重ね、笑顔も武器として身に着けても、見るものが見れば青い眸に宿る光は、鋭利さを増しているのが分かる。
だがそれは、狭い視野で敵と味方を分け、手に届くもの総てを自分の力で護ろうとしていた、若者特有の、ある意味傲慢ともいえる光とはまるで違っている。

二十歳を越して、彼が戦いの舞台に選んだのは、政治の世界だった。
統一地球連邦政府、初代大統領。隼鷹・ディオ・ウェインバーグ。
若干38歳の偉業だ。

『櫻』という名前をくれたのは、彼だという。

いつだったか母が微笑ながら話してくれた。


***

超途中。
男の子に『櫻』とつけたディオのセンスを笑わないでやってください(苦笑)
ちゃんと理由も書くから。

ちなみに息子の名前は、『飛鳥』『葵』『翼』で最後まで悩みました。



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6話まで再再視聴して疑問に思ったこと。

レイクルイーズの養成機関(あの訓練課程もめっちゃ突っ込みたいんですが(笑))で、ディオと一番マッチング率が高かったのに、フロムはどうしてルクシオンのパイロットに選ばれなかったんでしょう?

実戦経験の差とか?

ディオに言った「前線からの志願だって?」というフロムのせりふから推すに、フロムはあの時はまだ実戦経験がなかったように思われるんですが……。

マーカスに実戦経験があったかどうかは、資料にもなかったんで分かりませんが。

BDのアーカイブスに、フロムについてなにか書いてあったかなー。確認してきます。

補給で習志野、千歳に立ち寄ってるのに、フロムがシグナスにすぐに送り込まれて来ないのも不思議……だけどそれは、連合のお偉いさんがカップリングシステムについては認める派と認めない派でせめぎ合ってたから、辞令が遅れたのは理由が付くのか……。


2期の時間が1クールでたっぷり取れれば、フロムは陣営入れ替わり要員だと踏んでたんですがねー。ヒナが連合に来ちゃったからには、ゾギリアにいくキャラもいるのは王道中の鉄板だと思うんですが。

あの腹グロ美少年、本当に、それだけで終わっちゃうんかいもったいねー、と言いつつ、不穏な妄想でも温めていますよ、ふふふ♪


追記:まだフロムのキャラ紹介なかった。5巻に期待!


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「マーカスってさぁ。どんな奴だったの?」

今だから訊くんだけどさ。

と前置きした青葉の問いかけに、ディオは束の間、隣に立つ青葉を凝視した。

ルクシオンネクストとブラディオンネクストを見上げるキャットウォーク。
2機はアラスカでの戦闘後は出撃することもなく、整備班によって細部まできっちりと整備、調整されて、元はルクシオンとブラディオンの収容されていた場所に佇立している。ロールアウトしたばかりの機体の装甲の薄い煌きが、威容を際立たせていた。
ブラディオンの少し奥まったところには、鹵獲した機体として、ヒナのカルラが収容されている。
ゾギリアの最新型のフレームには整備長ドン・ナッハー以下整備班が興味津々で、カップリング・システムはエルヴィラとまゆかが掛かりきりで解析している。格納庫で今一番の人気者(アイドル)だ。

虚を突かれた――というか、なんというか。
青葉の口から、マーカスの名前が出ることがあるとは思わなかった。

青葉の話と状況を整理すれば、青葉がルクシオンのコックピットに現れたのはマーカスが死んだ直後になるようだ。マーカスと青葉は面識のありようがない。
だが、青葉がシグナスに乗ってもうそれなりの時間が経つし、リーやヤールたちパイロット仲間から、青葉がマーカスの名を聞いたとしてもおかしくはない。
青葉の特異体質についてエルヴィラが説明した時にも、名前が出ていた。

むしろ今日まで訊かなかったのは、青葉なりの気遣いだったのかもしれない。

そうだな、とディオは呟いた。
「悪い奴じゃなかった」

マーカス・ヘンドリクソン。
年は四つ上。階級は同じ少尉だったが、戦死したことにより2階級特進して、墓碑には大尉と刻まれた。
レイクルイーズのカップラー養成機関から、マッチング率の高さと安定を認められて、カップリング機の実戦投入実験艦として建造されたシグナスに、共に配属された。

穏やかな青年だった。
年上らしくディオのフォローに回ってくれることも多く、どちらかといえば、青葉とは逆の関係性だったように思う。
ディオと同じように前線からの志願者で――フロムは士官学校からの抜擢だ――同じように、家族を戦火で失ったと、言っていた。

青葉のようにはっきりと記憶を見たことがあるわけではない。
だが、彼の心に深く刻まれた同じ悲しみや、力及ばなかった悔しさを、感じることはあった。
それがディオとマーカスを同調させ、高いマッチング率を導いたのかもしれない。

親しかったか、と問われれば、ディオ自身答えを持たない。

エルヴィラのいうとおり数十回に及ぶカップリング実験をし、思考、経験を共有した。同僚として通常機での訓練やフィジカルトレーニングも共にしたし、訓練課程が同時間帯になることが多い都合上、食事も、シグナスでは一番共にした相手だった。マーカスも口数が多いほうではなかったが、会話も普通に交わしたと思う。
だが、休暇の時間を共に過ごしたことはなかった。

下らない言い合いをしたことも。
ましてや殴り合いの喧嘩をしたことも。

――ディオ! 落ち着いて聞いて。マーカスが……!

エルヴィラから通信が入った時には、ブラディオンのモニタには、青と白のパイロットスーツが破壊されたドックの瓦礫の下敷きになり、彼の体から溢れる鮮血に浸されていく様子が映し出されていた。

ほんの一瞬の誤差。
リー、ヤールに次いでロッカールームを飛び出したのは、ディオだった。
譲り合ったというわけではない。本当にたまたま、ディオのほうがタイミングが早かっただけだ。

マーカスが先に駆け出していれば、あるいは彼は難を逃れたかもしれない。

おまえのせいじゃねえよ、というヤールの慰めを聞くまでもなかった。
すべてのことに自分になんらかの責があると気負えるほど、ディオも戦場を経験していなくはなかった。

戦争なのだ。
運が悪かった。そうとしか言いようがないこともある。
ほんの少しの違いで、もしかしたらあそこで死んでいたのは、マーカスではなく自分だったかもしれない。

それでも、見知った相手が命のない肉塊になっている様は、素直に悲しかった。

「悪い奴じゃなかった……ね」

溜め息混じりの青葉の呟きが聞こえて、ディオは束の間の物思いから醒めた。
なんだ、と問うように視線をやれば、青葉は行儀悪くキャットウォークの手すりに両肘を掛けて、背を預けている。

「や、おまえ、俺が居なくなったら、なんていうんかなーと思ってさ?」

だらしない格好のまま視線だけ巡らせて寄こす青葉を、ディオは思わず、僅かに目を瞠ってもう一度凝視した。
青葉のじと目を数秒見返した後、一度瞬きをしてから、口を開いた。

「決まってるだろう」

唇の両端が吊り上がるのが、自分でも分かる。
に、っと笑ってディオは言った。

「馬鹿だった、と言うに決まってる。それも、救いようのない、な」

ずる、と青葉がずり落ちるのを目の端で見て、ディオは踵を返した。
ひっでぇー、という情けない声が追ってくるが、知ったことではない。
その口許には、柔らかな微笑みが浮かんでいたが、ディオ自身には覚えのないことだった。


***


「素直じゃねぇの……」
ずり落ちかけた態勢のまま、肘でフェンスにぶら下がって天井を仰ぎ、青葉はぼやいた。
だが、立ち去るディオの口許に、かすかな柔らかな笑みが浮かんでいたのは、見間違いではないだろう。

「……」
天井を仰いだまま、ふー、と長い吐息をひとつ。

もっと笑えばいいのに、と思う。

ハワイでの半舷休暇の時、妹のフィオナと交わし合っていた笑顔。
普段の仏頂面が嘘のような、優しい、やわらかな微笑みだった。

あんな表情も出来るんだ、と思った。

男の自分から見たって整った容姿の持ち主なのだから、もっと笑えば、男女問わずディオに親しみを抱くだろう。

「……ぶっ、」

そこで青葉は盛大に噴き出した。
プロモーションビデオの時の、見事な作り笑顔を思い出したからだ。
いつもの不機嫌面からは想像も付かない爽やかな笑顔で、「レッツカップリング」とのたまった時には、青葉はあっけにとられたものだ。
あまりの見事な変わり身に、からかわずにはいられなかった。

ひとりで腹を抱えて、思い出し笑いというには派手にひとしきり笑った後、青葉は再びフェンスに肘でぶら下がった。

ルクシオンネクストが、逆さまに青葉を見返してくる。
正真正銘の、青葉の専用機。他の誰も乗ったことがない機体だ。

「悪い奴じゃなかった、か」

フロムのことを、軽い奴は好きじゃないと言い放ち、お節介も好きじゃないと青葉も突っぱねた。
そのディオの口から出たのだから「悪い奴じゃない」は「いいやつだった」の同義語、最上級の親愛を示した言葉だ。

それでも、青葉には確信がある。

立ち去るディオの口許にあった微笑。
あの笑顔を、マーカスは見たことがないだろう。

ヒナの記憶の奔流の中で見たディオは、必死で青葉を止めていた。
ブラディオンでルクシオンに体当たりをかましてまで、特異点に飛び込もうとする青葉を止めた。
青葉を死なせないためだけに。
もしかしたらディオにも無意識の行動だったかもしれない。

居なくなったらさびしがるから、とからかったらムキになって否定していたが、自惚れではなく、自分が居なくなったらディオはさびしいだろう。
死んだら――泣いてくれるだろう。

「……愛されてんじゃん、おれ」

逆さまの愛機に語り掛けるように呟いたその口許には、相棒が浮かべたのと同じ微笑みが浮かんでいた。


<了>





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萌えに書く速度が追いつかない…っ(>_<)

第1話のダイジェストとか途中まで書いてあるけど非公開。
初回、めちゃ情報多いんだもん…っ(*_*)

ガンダムみたく資料本が出たりしないから自力ですよ、そこから自家発電ですよ…!!

青葉とディオがマーカス(2話で死んじゃったディオの元バディ)の話してるSSとか書いてるけど、公開までもう少しかかりそう。

マーカスの遺体をモニタで見てるディオが、ほんっとに悲しそうな表情すんの。
可愛い(*'▽') たまらん。可愛くてたまらんっ(*'▽')(大事なことだから2回言いました)

金髪碧眼美人、一見クールだけど情が深いときたら、ここ何年も自分が落ちてきた穴でした。
うひゃひゃひゃ♪

…なにこのステキなしあわせ(*'▽')
やっぱり恋?(笑)

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あるいはループの途中。


***


握り締めた拳の先で。

ディオの上半身が、ぐらりと傾いだ。

「……なんで……っ、どうして止めたッ!!」

怒声が、帰投した機体を迎えてざわついているハンガーの空気を凍らせた。

殴り付けたのと怒鳴ったのと、どちらが先だったのか、青葉自身にも分からなかった。
更に掴みかかろうとする青葉を羽交い締めにして誰かが止める。「よせ、青葉!!」と怒鳴るその声が誰なのかも分からない。

乗機ベリルコマンダーから降りてきたリーが青葉を捕まえ、ヤールも駆け寄って来ていた。
フロムだけは、ヘルメットを小脇に、のんびりと歩み寄ってくる。

周囲のそんな様子などは、完全に青葉の意識の外だった。
目の前が真っ赤になるほどの尋常でない憤りのなかで、ただ、ディオだけを見ていた。

怒りで沸騰しきった思考、視界の中で、ゆっくりとディオが顔を上げる。
ひた、と青葉に視線を据えた。
渾身の力で殴られて、頬を赤く腫らしているのに、驚くほどに静謐な澄んだ眸だった。

ブラディオンを見上げている時の眸(め)だ。

煮え滾った頭の片隅の、どこか冷めた部分で、青葉はそう思った。
愛機ブラディオンをひとり見上げる時に、ディオがそんな眸をするのを、青葉は知っていた。

何かを見据えて、揺るがない、青い眸。

切れた唇の端から一筋滴った血を手の甲でぐいと拭ってから、ディオは口を開いた。

「ルクシオンを失うわけにはいかない」

静かな、冷静な声が、僅かに冷えかけた青葉の怒りを再燃させた。

「ヒナが……っ、ヒナは、同じ繰り返しの時間に戻っていったんだ、分かってて、戻っていったんだぞ……!」

またね、青葉。

確かにヒナはそう言った。
それが、共有出来た最後の思考だった。
直後にヒナのヴァリアンサーは光の渦に飲み込まれ、カップリングは強制的に解除された。

無限の繰り返しの中に。
彼女はそれを理解していながら、突き進んでいった。

あの日の――2014年の青葉を守るために。

「彼女が、」
ひたと青葉に据えた視線を微塵も揺らさずに、ディオは言った。

「弓原雛が無事であることには、確証がある。お前が今ここに存在していることが、何よりの確たる証拠だ」
「……っ」

一瞬、青葉は言葉に詰まった。
そうだ。
ヒナとヒナのヴァリアンサーが無事にあの光の渦を抜けて2014年にたどり着いたからこそ、青葉は生きてここにいる。

青葉は唇を噛んだ。
「……、だからっ、て!」
強く噛み締め過ぎた唇が切れて、血を吹いた。

憤りと、悲しさと、やるせなさと。
ないまぜになって昂りきった感情が、声を震わせる。上手く言葉が紡げずに、不自然に跳ねる。

「ヒナを、ひとりで……っ、往かせていいわけ、ない……っ」

ずっと青葉を見ていたの。

逃亡の最中に、ヒナは微笑んでそう言った。
分かっていてヒナは往ったのだ。
2014年に行って青葉の命を救い、未来に送り……自分は更なる時空の捻じれに押し流されて、記憶を失うこと。
記憶を失ったまま成長し、青葉を知らずに、再び青葉と出会うこと。

すべて分かっていて、ヒナは。

「お前が一緒に行って、どうにかなったのか」

静かな――あくまでも抑制された怜悧なディオの声が、青葉を更に激昂させた。
「……こ、の野郎……っ!!」

「青葉!!」
「止せって!」
リーを振り切って飛びかかろうとする青葉を、ヤールも反対側の片腕を引き掴んで留める。

なおも暴れ続ける青葉を、凪いだ湖面のような眸で、ディオは凝視めていた。

「……言ったはずだ。おまえはシグナスを守ると」

一瞬の、瞑目。
睫を伏せたままで、ディオは静かに続けた。

「守ると誓った仲間を置いていくのか。おまえはそんな男じゃないだろう。……青葉」

呼ぶ声は、踵を返したディオの、背中から聞こえてきた。

青葉。

いつからだろう。
ディオが名前を呼んでくれるようになったのは。
抑制された硬質な声音で話すことが多いその声に、信頼と親愛の表れを示して、僅かな柔らかさが混じるようになったのは。

遠ざかっていく靴音を聞きながら、青葉は膝から崩れ落ちた。

その様子とディオの背中をちらりと見比べたフロムが、ヘルメットをひょいと肩口に担いで身をひるがえす。ディオの後を追って歩き出した。

「……ちッ、きしょうっ」
誰にともなく吐いた切れ切れの悪態は、掠れて、まるで嗚咽のようだった。

青葉の両腕を縛めていた二人の腕が緩んで、青葉は力なく床に握ったままの手を突いた。
頭上で顔を見合わせる、リーとヤールの困惑したような、呆れたような気配が伝わってくる。
僅かの間の後に、二人の気配が離れた。青葉をひとり残して、足音が去っていく。

今更ながらに、渾身の力を込めた拳が鈍く痛む。
殴った青葉の拳にも痛みを残すほどの重い一撃だったのに、ディオは避けなかった。

怒りの半分――否、ほとんどはディオにではなく、己に対するものだ。
己の不甲斐無さに対する怒り。
八つ当たりだと分かっただろうに――ディオは避けなかった。

鈍く痛む右手に、左手を重ねる。

分かっているのだ。
ディオに分かるように、青葉にだって分かっている。

ディオはただ、青葉を守ったのだということ。

「危険だ」と言ったディオの声が耳に残っている。
その切迫した響き、ブラディオンでルクシオンを弾いてまで、青葉を止めたディオの気持ち。

ぼたりと大粒の熱い雫が一粒落ちて、グローブに染みを作った。

だからといって。
どうすればいい。

多分、元の時代に帰ることは、もう出来ないだろう。
家族もいない、ヒナもいないこの時間で――どうやって、生きていけばいい。
誰を守って、何を目指して、生きていけばいい。

重ねて握り締めた拳に突っ伏して、青葉は泣いた。
声の無い慟哭は、戻ってきたハンガーの騒音に紛れて、潰えていった。



***

青葉側から。
この後、ディオとフロム。






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バンダイチャンネルで2週目見終わってきました。
我ながらいい勢いだ(笑)

1回目で見逃したんだけれども、ヒナのループを断ち切ったのはディオだったのね。
ディオが青葉を止めなかったから、ネルガルは大破してビゾンは2014年に吹っ飛ばされ、ヒナと
カルラは残った。

どうしてディオは、このループで青葉を止めなかったのかな。

青葉が垣間見たように、ディオは今までのループでは、ルクシオンネクストに軽く攻撃を加えてまで青葉を止めてるわけでしょう。その理由は「青葉を死なせたくないから」それだけだよね。

何が理由で、このループではディオは青葉を止めなかったのかなぁ。


すごい、すごい気になる(>_<)


今までのループでは青葉の記憶を見なかった?
それとも見ても止めた?
どっちなんだろう…?

そしてビゾンに追い回されない青葉は、2014年からタイムリープしないんじゃ…?
てことは、この世界で青葉は、ビゾンと同じように二重存在になってない…?


…なんてこと考えながら、ディオが身体を張って青葉を止めた後のことを妄想してました(笑)


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ヒトカラ行って歌ってきた(笑)

コーラスに「Dive into your fate」って歌詞があって、この歌は、青葉→ヒナであると同時に、ディオ→青葉の想いを歌ってるんだとしみじみ。

だってどーみても青葉の運命に巻き込まれてるよ、ディオ…(笑)

たぶんループは弓原雛から始まってて、青葉がヒナの運命にダイブして、更にディオが青葉の運命に巻き込まれた…っていうかやっぱダイブしてるよね(笑)

完結編でディオ→ヒナもこないかな~、くるといいな~。

腐ってないですよ。
青葉とディオは最高のバディですよ、2人してヒナに惚れちゃえばいいって話だもーん。

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※あらすじは、私の都合により、全部内容を書いてしまいます。未視聴で、ネタバレを避けたい方は、お読みにならないようにお願いいたします。


【あらすじ】
嵐の中、無人島墜落し、擱座したルクシオンのコックピットで目を覚ます青葉。同じく擱座し、コックピットが海水に没しそうになっているヒナのヴァリアンサー・フォルトナを発見する。


ヴァジュラではビゾンがヒナの捜索を願い出るが、マルガレタは頷かない。ドルジエフを探せと命じる彼女に、アルフリードは「死んだ人間にまで媚を売るか」と皮肉な想いを抱く。


同じ頃シグナスでも、倉光は青葉捜索をディオに許可しない。口では承諾するものの、気持ちを隠しきれないディオの態度に、倉光は「まったく彼は子どもみたいだね」と苦笑する。


無人島では青葉が助け出したヒナが目を覚ます。だがヒナは青葉を縛り上げ、捕虜にして身の潔白を証明すると息巻く。
2機のヴァリアンサーが起動しない状態であることを確かめたヒナは、雨を避けて入り込んだ洞窟で、青葉と初めてまともに言葉を交わす。
青葉は正直にすべてを話すが、ヒナは取りつく島もない冷たい態度で、青葉を突き放す。どれほど似ていても弓原雛とヒナ・リャザンは同じ人物ではない。青葉に銃を突き付け、そう言い放つヒナの瞳には、嘘や隠し事のいろはない。


シグナスでは、倉光の予想どおり、ディオが命令に違反して青葉の捜索に出ようとしている。ハンガーに向かうディオを呼び止めるフロム。フロムは2つの伝言を告げる。倉光からは「3時間が限界」、エルヴィラからは「カップリング機ならなんとかなるかもしれない」 ディオは何かに思い当たったように、フロムを振り返る。


海上ではゾギリア軍の、ドルジエフ捜索が続いている。

(まだ途中。続く)

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※あらすじは、私の都合で全部内容を書いてしまいます。未視聴でネタバレがお嫌な方は、お読みにならないようにお願いいたします。


【あらすじ】
ゾギリア親衛軍の艦船ゲイボルグの索敵から逃れて、島影に身を潜め、電子戦を展開するシグナス。しかしシグナスはゾギリア国防軍の新型、重装巡洋攻撃航空艦ヴァジュラに捕捉される。それはヒナたちアルフリード隊の新しい母艦だった。


パイロットたちが待機中のシグナスのブリーフィングルームには、怪我で戦線を離脱していたリーが復帰して姿を表す。

同行したエルヴィラに、青葉、ディオ、フロムは、青葉の特異なエンファティア波形について説明を受ける。エルヴィラによれば、青葉の波形は、カップリングシステムに組まれた標準波形と完全に一致する。それゆえに、システム波形に近くない、カップラー適性値の低いパイロットともカップリングを可能にする。しかし、何故か青葉とのカップリングは、バディの波形を乱れさせ、システム標準から逸脱させてしまう両刃の剣だった。

エルヴィラは3人のカップラーに、バディを組む相手を今ここで定めろと迫る。
フロムは3人同時に相手を指名する方法を提案し、3人は天井を指す。
互いに指を指し合ったのは青葉とディオ。フロムは天井を指したままだった。
フロムは「訓練を無駄にしたくないから」と嘯く。


出撃したシグナスのヴァリアンサー隊5機に対し、親衛軍は15機の大軍で取り囲む。10機に包囲され、カップリングシステムを使用してもルクシオンとブラディオンは突破口を開けない。ろ獲の危機に瀕した2人は、コードT2ライズ、通称ユニゾライズを再び敢行し、敵を薙ぎ払い、敵将ドルジエフを討ち取る。

カップリングを解除し、残敵掃討の加勢にに向かう青葉とディオ。
だがそこに、その期を見計らっていたアルフリードが動き、部下たちを襲いかからせる。

シグナスを嵐に逃げ込ませる決断を下す倉光。
アルフリードは深追いは無用と部下たちに帰投を命じるが、ヒナは命令に違反する。度重なる青葉からの接触、それによってスパイの嫌疑をかけられたことに、彼女の苛立ちは最高潮に達していた。

着艦寸前の青葉のルクシオンにヒナのヴァリアンサー・フォルトナが襲いかかる。
反撃出来ない青葉は、シグナスに激突しかけたヒナを庇い、ディオの目の前で、もろともに嵐の中に落ちていく…。

一部省略により後日加筆予定。


【ひとこと】
最後のシーンの、ディオの「青葉!!」の大絶叫に、2回目なのにもれなく突っ伏しました…(鼻血)

やめてディオ、お願い。
私弱いの、あなたが「青葉」って呼ぶ声に激烈に弱いのよ…!!(吐血)

出血多量で召されても本望です(笑)

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プロフィール
HN:
おおぎまうと
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
元(?)腐女子。
『腐った魂百まで』とか
『納豆はただの煮豆には戻れない』
とか言われながら帰ってきたふやけた納豆。

金髪碧眼美人スキーの属性健在。
何故かツン萌え属性も加わったようで。


只今『バディ・コンプレックス』ひとり祭り開催中。
ディオに恋する元(?)腐女子w
ディオしか見てない(笑) ときどきヒナ♪


バディコンに関しては腐ってません。今後も多分腐りません。


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